この前、孫の運動会へ行った際に、孫から「じじの顔」ということで1枚の絵をプレゼントされました。大きな顔から手と足が出ている、幼児によくあるものです。
この絵を友人に見てもらったら、顔が穏やかなのは好かれているから、顔から足が出ているのは、あまり会っていないから、というコメントをもらいました。好かれていることは、祖父として嬉しいし、また「あまり会っていない」というのも、その通りで、じっくり会うのは息子夫婦が帰省してくる(年に1回程度)時くらいです。
以前に私が幼稚園で仕事をしていた際、この顔から足が出ているような絵は、園児の絵画によくみられるものなので、その時は特に何も思わなかったのですが、いざ自分の関係での事となると少し気になって、インターネットで検索してみました。検索ワードは「幼児」「絵」「顔から足」等々。
すると、いろいろな(教育関係者の?)方が説明されていました。こういう絵を「頭足人」というようです。幼児の成長過程において、かならず現れる絵のパターンであって、しかも人によっては数カ月間のみ描かれる「貴重な」時期、絵なのだそうです。
調べたサイトの中で、教育関連の事業をしているベネッセ教育総合研究所の解説が分かりやすかったので、以下に引用させていただきます。
始めは、丸い顔に丸い目が2つ、棒の口といったシンプルなものです。しばらくすると、ここに手足が出てくるように。顔から直接手足が生えているように見えるので、「頭足人(とうそくじん)」とよばれます。
大人から見ると足りないところだらけの頭足人ですが、子どもにとっては何の不思議もないそうです。それは、大人が「顔」だと思っているものが、子どもにとっては「その人全部(体全部)」だからです。また、頭足人が描けるようになったということは、人間に手足があるということを理解し始めた証拠でもあります。
ここから少しずつ、髪の毛や鼻などのパーツが出てきたり、体が描けるようになったり……。一本の棒だった手足も、少しずつ太くなってきます。ここまでくると、もう大人の描く絵と同じですね。
上手に人の形が描けるようになってから、頭足人に戻すことはできません。「描いて」と言えば描くことはできますが、小さいころ描いていた絵と同じにはならないでしょう。大人が頭足人を描いても、かわいくないのと同じです。
子どもが今描いている絵は、「今だけ」のもの。たった数年、段階によっては数カ月で終わってしまう貴重なものなのです。
引用 ベネッセ教育情報