宮前町自治会だより(原稿)

2019年4月より就任している宮前町自治会長として『宮前町自治会だより』に掲載した原稿です。

2021.1.1.発行

 

謹賀新年

 

 新年あけましておめでとうございます。平素より自治会の活動・事業にご理解とご協力をいただきありがとうございます。また今年度はコロナ禍の影響で亀岡市をはじめ自治会行事が軒並み中止となり、寂しい一年となりました。次年度は感染が沈静化することを望むばかりです。

 さて、令和3年度の「自治会だより」を飾るのは「こんにちは赤ちゃん」「年男・年女」の恒例企画です。地域に生まれた新たな命の誕生を喜び祝うとともに、次回の干支の年も元気で迎えることが出来るよう、また宮前町の活性化を願い、新年にあたってのご挨拶に代えさせていただきます。

 

2021.11.1.発行

 

農業集落排水事業と下水道の話

 

 世界最古の下水道は、紀元前五千年のメソポタミア文明の都市だったといわれています。ただし現在の下水道のイメージではなく、汚水をまとめて川に流すという施設です。日本においても藤原京時代(7世紀)に同様の道路側溝が設けられて、雨水を流す役割をしたのが最初のようです。

 日本では、現在のような生活排水と糞尿などを一括処理する施設が普及するのは戦後になってからであり、特に農村部では、糞尿が農作物の肥料として使われていたこともあり、なかなか進まなかったようです。私の学生時代(昭和50年頃)インフラの進んでいるはずの京都市内でも、西大路通の西側に下宿していた友人のアパートは、汲み取り式のトイレでしたので、自身が住んでいる地域が水洗トイレになるなどとは夢にも思いませんでした。

 平成7年に宮前町農業集落排水推進協議会が組織され、翌年より事業開始、平成14年より一部供用が開始されました。この事業により宮前町全域において、いわゆる下水道が整備され、水質保全、集落環境整備が図られました。昨年度、地域下水道が亀岡市公共下水道に統合されたことにより、管理運営が亀岡市に移りました。二十数年間にわたり当該事業に尽力いただいた同協議会会長の人見光雄様には、本紙面をもって感謝の意を表したいと思います。

 

2020.7.1.発行

 

新年度を迎えて

 

 今から160年ほど前、江戸末期、ペリー来航などの影響で、日本にも世界からの感染病がもたらされ、中でもコレラの流行が有名です。江戸百万人の人口のうち約30万人が死亡したとも言われております。

 さて現在の日本においても新型コロナウィルスの感染拡大が心配されております。ステイホームの支援策として、現代の外科医が江戸末期にタイムスリップして人々を救うドラマ「仁」が再放送されました。この中でも「コロリ」という呼び方で伝染病のコレラが描かれており、実際の歴史上でも、(ドラマでは武田鉄矢演じていた)緒方洪庵がコレラの治療に当たった史料が残されています。当時の『疫毒預防説』という本の中には「身体と衣服を清潔に保つ」「室内の空気循環をよくする」「適度な運動と節度ある食生活」などが書かれております。現在、世界中が注目している日本の感染者数(率)の少なさは、こういった江戸時代から続く衛生意識の伝統が効果を表しているのかもしれません。

町民の皆様におかれましては、特に高齢者の方々の健康管理に注意を払っていただくようにお願いします。

2020.1.1.発行

 

謹賀新年

 

 

 新年明けましておめでとうございます。平素より自治会の活動・事業にご理解とご協力をいただきありがとうございます。

 さて昨年は元号が改まり、令和年間の始まりという大きな節目を迎えました。天皇の代替わりには秋の収穫感謝の行事を大嘗祭と呼び、その斎田として南丹市が選ばれたことは記憶に新しく、その新穀は無事に皇居内の大嘗殿に供えられました。

 ところで宮前町自治会館内には、昭和3年11月(※注1)に、ここ南桑田郡宮前村(現在の亀岡市宮前町)から、御大礼奉祝の為に白米(大和日出)一俵を献上した書状が残されております(写真参照)。調べてみると、当時の斎田は京都府ではなく、滋賀県と福岡県の二か所だったので、自治会に残されている白米献上の書状は、昭和天皇即位奉祝の為の献上であったと推察されます。ともあれ、大正の御代から昭和の御代に代わる際の、名誉ある献上米が、この地であったことに驚くとともに、誇らしく思います。

 今年の干支は子(ね)、その漢字のもともとの意味は、新しい生命が種の中で芽生え始める状態を指し、未来への可能性を秘めていることだといいます。今年が宮前町にとって実り多き年となることを切に願っております。

 

※注1:平成以前は天皇崩御によって改元されていたので、改元後も喪が明けてからの斎田選定と大嘗祭となるので昭和3年となった。今回、平成天皇の生前退位にともない、同年内での大嘗祭が実現した。

2019.9.15.発行

 

スポーツの秋・サンガの活躍

 

 まだまだ夏の気配を残しつつ、季節は秋となりつつあります。宮前町の田んぼでは秋の穫り入れの真っ最中かと存じます。収穫の季節を言うことと、もう一つスポーツの秋という表現も定番です。亀岡駅の北側では、現在、サッカー専用の競技場。京都スタジアムの建設が急ピッチで進められており、ここをホームゲームとするJリーグの京都サンガFCの活躍も気になるところです。また来年はNHK大河ドラマ「麒麟が来る」の放送が決定しており、スタジアムの中に大河ドラマ館という施設も出来、スポーツ観戦とともに、亀岡の町が大きく盛り上がる年になるようです。

 さて、宮前町には明智光秀ゆかりの地が多く残されています。光秀公首塚のある谷性寺(猪倉)、光秀の丹波攻略の拠点となったとされる神尾山城跡(宮川)、光秀と戦火を交えた内藤氏の居城・八木城跡(神前)などがあります。いずれの場所にも、明智家の家紋・桔梗の幟が立っていたと思われます。代表的な桔梗の花色は紫です。来年、亀岡駅前の応援スタンドにパープルサンガ(紫)の応援旗が立っていることを思い浮かべると、ここ宮前町もサッカーのサポーターの資格が十分に備わっていると感じるところです。

2019.6.1.発行

 

明るく・正しく・仲よく

 

 

 30年に亘る「平成」の世が終焉し、この5月より新たな年号、「令和」を迎えることとなりました。その時期に奇しくも自治会長を仰せつかることとなりました。若輩者であり、自治会の経験にも乏しく、甚だ心もとないところではありますが、精一杯務めさせていただきますので、皆様からの御指導御鞭撻をよろしくお願い致します。

 さて表題に上げました三つの言葉は、私が以前に勤務しておりました仏教系の幼稚園において、仏教の三宝帰依の精神(仏・法・僧)を子どもにも分かり易く伝える時に使っていた言葉です。新しい御世「令和」の令は美しい、正しいと訳されますし、和は和やか、和(なか)よくという意味で、まさに令和の精神と通ずるところがあります。

 少子高齢化が叫ばれて久しくなっております。宮前町の高齢化率(全人口に占める65歳以上の割合)は50%を越える数字で、亀岡市の平均27%を大きく上回っています。一方、地元の青野小学校においては、今年度の新入学生が例年よりも多かったものの、全校生徒数64名で、一学年一クラスを維持するのがやっとという状況です。数年前より空き家調査の実施の後、昨年6月に京都府移住促進条例の認定を受け、子育て世代の定住促進を進めていくことが課題となっておりますが、そのためには地域住民の心身の健康と相互の信頼関係の醸成が必要です。また安心安全な街づくりも課題です。

 宮前町民の皆様におかれましては、体育振興会や青少協、自治会主催の諸行事には積極的にご参加いただき、町民同士の交流を促進し、健康で文化的な生活が一層向上していくことを切に願いつつ、就任の御挨拶とさせていただきます。

宮前町自治会館 201.4.1.撮影
宮前町自治会館 201.4.1.撮影

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