みんぱく(国立民族学博物館)の民家模型

こんな展示も、いわゆる民家園みたいなものかも・・・。

みんぱくに展示されている4棟の民家(曲家、合掌造り、大和棟、二棟造り)は、考現学を提唱した今和次郎の調査資料をもとに、その調査時点である1974年の現状をそのままに復元されています。製作されたのは、民博が開館した1977年といいますから、既に40年近くの年数を重ねています。そして、いまだに、みんぱくの展示、特に日本の文化展示のコーナーの中でも人気の展示となっています。
民家の模型、というだけでは、建物を決められた縮尺に従って縮小した材料を使って製作されたものか、と思いますが、このみんぱくの模型は、単に建物だけではなく、切り取られた「時」がそのまま再現されているのです。無造作に放置された民具やビール瓶、干されている洗濯物、庭で走る犬、等々、1/10のスケールなのに、ここまで再現するのか、というほど微に入り細に入り、当時の姿がすべて造られています。また見学者側からは確認できませんが、民家内部の畳や障子などの家財や什器などについても、精巧に再現されているらしく、たびたび、この模型の内部までを見られるようなファイバースコープを設置してはどうか、という提案も出るそうです。
これは今和次郎の学問の姿勢が基礎となっていますが、その考え方を取り入れた当時の研究者の努力と、館長であった梅棹忠夫氏の決断がなければ実現しなかったもののようです。製作費は相当なものであったといわれています。

曲家(岩手県遠野市)

曲家は、岩手県南部に特徴的な民家です。母屋と馬屋がL字型に一体化していることから「曲り家」の名を持っています。東側に台所があり、その竈からの暖気が、南側にある厩(うまや)に流れ込むような配置になっています。L字型ではない家は直家(すごや)と呼ばれているようです。

合掌造り(富山県南砺市)

合掌造りは、急勾配の屋根を持ち、掌を合わせたように三角形に組む丸太組みを「合掌」と呼ぶことから来たと推測されています。世界遺産に登録された白川郷の民家が有名です。

大和棟(奈良県)

高塀造とも呼ばれています。奈良県で見られる代表的な建築様式で、切り妻の草葺と屋根瓦、白い漆喰壁のコントラストが美しい建物です。

二棟造り(沖縄県八重山)

二棟造りは沖縄から九州地方で多く見られ、本屋と釜屋が別棟で並行に並んでいます。建築史的には、古代の建築様式を継承した貴重なものと言われております。

 

 

 

 

みんぱく・その他の民家展示

こちらは実物大の民家の部分展示です。

秋山郷のすまい

長野県と新潟県にまたがる秋山郷の民家内部の様子です。

アイヌの家

支柱の上に三脚をのせ、茅や笹などで屋根や壁を葺きます。

天幕(カザフ・モンゴル)

カザフスタンとモンゴルに住む遊牧民の移動式住居です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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