本日は、大津市勤労福祉センターの歴史講座「白洲正子「かくれ里」十一面観音巡礼紀行」の第2回目を受講。講師は元滋賀県立安土城考古博物館副館長の大沼芳幸氏(=学生時代の友人)です。
今日のテーマは「油日(あぶらひ)の古面と、油日から櫟野(らくや)へ」。近江の甲賀地域に残る伝統行事に使われる能面とユニークな形状の「ずずいこ様」、どちらも五穀豊穣を願うための道具であったことが説明されました。また周辺の寺院に残る仏像の姿から、仏教的な体をとりながらも、本質は、甲賀の山中から流れる水や大木(=神)が想起されることを解説していただきました。
今回の講座で講師が力説していた点として、寺院に安置されている仏像は、本来、信仰の対象であったものが、昭和初期に書かれた和辻哲郎『古寺巡礼』以降に、見物、鑑賞の対象として意識されるようになり、現代に至っては、国宝級の仏像は、大半は都市にある博物館で鑑賞・観察することになったこと。そして、今回取り上げた、山里の寺院に残る仏像についても、将来的には村人だけで管理することが難しくなり、博物館等へ収蔵され、地域の信仰は薄れてしまうのではないだろうか、ということでした。
講座終わって、講師を囲み、京阪浜大津駅近くの居酒屋にてチョイ飲み。