BSの番組「フロンティア」、たまたま観た「ヒトはなぜ歌う?」。各国の研究者による実験や仮説が紹介され、中でもNHKの取材班によるアフリカ熱帯雨林に住むバカ族(「バ」=人、「カ」=葉っぱ →森の民の意味、かつては「ピグミー」と呼ばれていたのですが蔑称にあたるということで現在は使われていない)の音楽と結びついた生活の紹介には驚かされました。
彼らは、あらゆる生活の場面で、自然発生的に音楽を始めます。その特徴は、異なるメロディ、異なるリズムを、同時進行的に、参加者それぞれが発声します。民族音楽の専門家は、このメロディについては、それぞれバラバラであるものの、全体としては完全4度のハーモニーになっている点、また異なるリズムが同時進行することで、グルーブ感が生み出されます(よって非常に気持ちの良い音楽になる)。そしてメロディやリズムの繰り返す中で、ある人は、部分的に発声を抜いて、それを聞いた別の人が、その抜かれた部分に新たなメロディを加えたりする、というシンプルな中にも変化に富んだ音楽を作り出します。まさにブルース・ジャズ・ラップといった現代音楽のアドリブの手法が取り入れられているのです。
バカ族は、10~20万年前の人類のDNAを残しているとされ、まさしく人類は音楽とともに進化してきた、と言えるのでしょう。
そして、最後に研究者が言います、音楽を奏でたり聴いたりすることで、脳の前頭葉を活性化し、現在認知症の治療にも効果を発揮しているそうです・・・・ということは・・・・音楽を演奏したり聴いたり、している事は、治療以前の話として、認知症の予防になっている、ということですね。バンド活動の励みになります、下手くそでも。