25分の番組が4回=100分。「100分de名著」、今夜から第1回が始まります(再放送あり)。今回の名著は、宮本常一『忘れられた日本人』です。解説は宮本常一の著作もある畑中章宏さん。楽しみです。
放送に先駆けてNHKテキストも購入、かつて「ん」十年前に買ったラジオ講座以来かな?カムカムエブリイバディ。
民俗学に関心の向きは是非ご覧下さい。
<追記>
番組観られた方、録画を観た方、限られた25分のなかで、進行役の方のコメントが入ったりして、この『忘れられた日本人』のこと、ぼんやりと理解されたかもしれません。あらためて、解説していた畑中章宏さんによるテキストを読み、以下に少し補足させていただきます。
つまり「忘れられた日本人」とは、どんな日本人なのか、という点です。
まず、この本が書かれた時代、昭和33年ころです。
当時の日本(日本人)は・・・・
・高度経済成長(=進歩と発展のとば口に居た)
・激しいイデオロギー闘争、思想的運動の高まり
その結果・・・・
・近い過去にあった自分たちの貧しさや苦労を「忘れて」しまっているのではないか(=宮本の問いかけ)
・日本人の歴史のなかに存在した遍歴者、漂泊民、「相互扶助」の精神を持った人々→そのありようを「忘れて」いるのでは
・・・と宮本常一は言っており、雑誌に掲載した文章(調査研究報告書でも学術論文でもない)を13編あつめて本にしたのです。
つまり「忘れられた日本人」のことを思い出してほしい、理解してほしい、それが現在の、また将来の日本の「経世済民(=世をおさめ、民をすくう)」をめざす道へつながるのだ、ということになるかと。