毎月1日の日は、映画の日、誰でもが一律1000円で観られるということで、昨日(9/1)、話題の「風立ちぬ」を見てきました。夏前から、日本テレビを中心として(ズームイン朝では毎日のように)かなりの宣伝がなされていました。また最近では、日本禁煙学会から映画制作会社へ出した要望書の件、あるいは隣国から軍国主義を美化するものでは、という意見、等々で、なにかと話題の多い映画でした。
しかし率直に言って、禁煙の一件については、吸う場面は何回かあったものの、私の印象からすれば、童顔のマンガチックな(実際漫画ですが)主人公の青年がタバコを吸っている画の雰囲気が不釣り合いで、おいおい、未成年(というより「こども」)がタバコを吸ってはいかんぞ、その顔と合ってないぞ、という感じでした(という意味でよろしくないというなら少しは理解できます)。また軍国主義云々という話題から、てっきり戦闘機の描写が多いか、あるいは戦争を美化しているような場面があるのか、注意して観ていましたが、戦闘機の設計者・軍事関係企業の社員という設定は、あくまでも、主人公の所属を示しているだけで、あまり深いつながりは感じませんでした(どちらかというと、物語のはじめと最後、いわば「額縁」部分に出てくるイタリアの著名な航空機設計者、ジャン・カプローニ伯爵との夢の中でのやりとりが、主人公と飛行機の強いつながりを示すものでした)。
というわけで、戦争映画でも、シリアスな技術者を描いたものでもなく、時代は戦時中でしたが、偶然の出会い・ひとめぼれ・災害(関東大震災)・消息不明・再会・ロマンス(軽井沢?)・結核に冒された少女・それでも婚約・永遠の別れ・・・という、まさにラブロマンス定番中の定番の要素てんこ盛りの物語でした(まぁ他にも、もっと大事なテーマがあったのでしょうが、この際、そんなことはどうでもよい雰囲気です、観ている側の私の個人的な嗜好が影響しているとしか思えません)。そして、話の軸が、少し逸れるか、舞台が少女側で展開すれば、間違いなく、主人公は堀越二郎ではなく、薄幸の美少女、里見菜穂子となっていたことでしょう。絵のタッチも、少女マンガ映画、という括りでも、何の違和感もありません。また最後に流れるユーミンの「ひこうき雲」の歌詞は、この映画のストーリーに合わせたかのように(昔の作品なのに)ぴったりでしたね。もしかしてユーミンの「ひこうき雲」にインスパイヤーされて映画が作られた、そんなわけないですよね。
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