1965年、日本学術会議は総理大臣に国立民族学研究博物館の設置を勧告した。一方で、1970年に開催された日本万国博覧会では、岡本太郎がチーフプロデューサー・小松左京がサブ・プロデューサーを務めるテーマ館に世界中の神像や仮面、生活用品などを陳列するため、東京大学教授の泉靖一と京都大学教授の梅棹忠夫らが中心となって、世界中から資料を蒐集していた。万博終了後に、政府は会場の跡地利用について、文化公園とする基本方針を打出し、その中心施設として従来から要望が高かった「国立民族学博物館」の設置が決定された。1973年に文部省内に創設準備室が設置され、梅棹が準備室長に就任。1974年に改正国立学校法施行により、大学共同利用機関として創設され、梅棹が初代館長に就任した。(「 Wikipedia」より)
「がらくた」とは、博物館の在り方に期待を込めた梅棹忠夫の収蔵品への愛情表現です。
「この博物館に展示されているものは、宝物ではありません。いうならば日常的がらくたばかりです。しかし、そのがらくたは、それぞれの民族が、何百年、何千年という長い年月をかけて生み出してきた文化のエッセンスなのです。その人類の文化の長い歴史と、それぞれの文化の独自性の輝きを、この博物館において再認識していただきたいと思うのであります。」
国立民族学博物館 初代館長 梅棹忠夫
<建物概要>
鉄骨鉄筋コンクリート造 地上4階、地下1階
敷地面積:40,821㎡
延床面積:51,225㎡
建築面積:17,089㎡
設計:黒川紀章
第19回 毎日芸術賞受賞
第20回 BCS賞(建築業協会)受賞
第1回 公共建築賞優秀賞受賞
展示場入り口に展示さている民族文化の象徴。いかに国・地域を越えて共通の文化があるのかを示している作品・道具だと思います。
王の仮面「アトゥア・コム」バムン王国(カメルーン)
仮面「ランダ」バリ島(インドネシア)
獅子頭 桑名(日本)
仮面(羊飼いの悪魔)ウルアパン(メキシコ)
仮面「ディアブロ」ラパス(ボリビア)
越年祭の仮面「マスカ」ネアムツ(ルーマニア)
椅子 ロビ民族(コートジボアール)
椅子<ラダー・バック・チェア>C.R.マッキントッシュ制作 グラスゴー
仮面は、バリ島(インドネシア)で、トベン・パジェガン(という仮面舞踊)に使われています。またジャワ島(インドネシア)でもトベン・チルボン(仮面舞踊)、ワヤン・トベン(仮面芝居)に使われています。
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このコーナーにはギターや打楽器などの展示に加え、1960年代から台頭してきたロックミュージックの貴重なアルバムが展示されています。これも民族文化なんですね。
主なテーマ「ロックと社会」「ギターとロック」「エレクトリック・ギターとポピュラー音楽」「ギターとモダン・ブルースとフュージョン」など。
地域展示ではオセアニアから東周りに、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、日本を含むアジア各地域と、世界を一周するように見学できるようになっています。そして、通文化展示として音楽と言語など世界の民族文化を通じて概観する展示もあります。また開館当初よりAV機器を積極的に取り入れ、なかでもビデオテークは、見学者(視聴者)がボックスに入り、リストから世界の生活や文化を紹介する映像をみることが出来ます。