この写真は、ゴールデンウィークにソフトの試合を応援に行った帰りに立ち寄った「みんぱく」で撮影した仮面のひとつです。
さて、ジョージ秋山の漫画に『浮浪雲』というものがあり、その中のひとコマが、1977年の花園大学の入試問題(小論文)に取り入れられて話題になりました。えらい古い話で恐縮です。
その漫画の設定は江戸時代の下町が舞台、そして入試に出されたひとコマは、私のおぼろげな記憶をたどると・・・主人公が家を出るところ、奥さんが見送る、そのまま出ようとして忘れ物があり振り返り、その忘れ物である「面(仮面)」を被って(着けて)、再度外出する、奥さんも当たり前のように見送る・・・、そんな6コマ程度の作品の場面だったと思います。その設題のキーワードとして、ラテン語の「ペルソナ」が与えられ、恐らく受験生には、ペルソナの語源である「仮面」「人格」「役割」などと、漫画の主人公の行動との関連、そこから考察できることなどを問うような入試問題だったかと記憶しています。当時は、その内容よりも、漫画が入試に取り入れられた事が話題になっていました。
私は、当時、既に大学生でしたので、その入試問題を新聞で知り、花園大学やるなぁ(ちょっと高校生には難解では)と思ったものです。そして自分なりに、その問題の答えを思い巡らしていたものです。人は、外出するときは、社会の中で一定の「役割」を「演じ」るものである、とかなんとか(とても安易でしたね)。
そして、再び、この歳になって思うのは、漫画『浮浪雲』の設定を借りて言うなら、主人公が用事を終えて帰宅する、そしてお面を取る、そして自分の部屋に戻り、実は、もう1枚のお面も取る、というストーリーです。これまた安易ですけれど。
仮面は、日本のみならず、世界各地の諸民族の伝統行事などでも使われ、仮面を被ることで何かを演じたり、何かに変化したり憑依したりする道具として、貴重な民俗文化財的側面を持っています。大阪万博の開催(1970)の、さらに数年前、文化人類学に強い関心を持った画家の岡本太郎は、世界各地の仮面を収集したといいます。その後、太陽の塔の制作、国立民族学博物館の開設準備へと進む中で、太郎の仮面コレクションも、博物館に寄贈(収蔵)されたといいます。太郎は世界の仮面に魅了され、その作品にも民族のエネルギーのようなものが反映されているのかもしれません。
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秋山豊寛 (金曜日, 04 11月 2016 19:04)
私は、それを受験し入学したものです。確かにペルソナは出ましたが、推薦入試ででたもので直前はぐれ雲とは関係ございません。はぐれ雲のほうは、一般入試でつかわれ、橋の下でという話がつかわれました。しかし、発見し大変嬉しかったです。覚えていただいていて
太田キクオ (月曜日, 07 11月 2016 21:57)
ずいぶん不確かな記憶をもとに書いた駄文にコメントをいだき、ありがとうございました。その漫画の試験を受けられていたことからすると、ほぼ私と同世代ということになりますね。
今後ともよろしくお願いいたします。そして、お互いに元気でがんばりましょう。