昨夜は、神戸フルーツフラワーパークで「神戸イルミナージュ」という光のイベントを見に行ってきました。この施設が出来て今年で20周年になるそうです。かつて週刊誌の廃墟となりそうなテーマパークの一つとして取り上げられたこともありました。しかし、ここ数年では、洋館と花壇・噴水などのロケーションから、定期的にコスプレイベントが開催されて、知る人ぞ知る場所(聖地?)になっているようです(2年ほど前に、そういうイベントのある日だと知らずに訪れたことがあって驚いたことがありました)。また付設のホテルや温泉なども積極的に宣伝して、努力の結果20年もの営業につながったのだと思います。
さて昨日の光のイルミネーションは、岐阜県にある「なばなの郷」ほど巨大なものではありませんでしたが、入場料(1000円→ローソンで800円)の割には、素晴らしいものだと感じました(駐車場も無料です)。花やフルーツ、動物の形のイルミネーションは、フラワーパークらしい演出なのかと思いました。またBGMにもジョン・レノンなどの洋楽が流され、個人的にも高揚感のあるイベントでした。そんなきらびやかな雰囲気の中、我々50代後半の世代には懐かしいザ・モンキーズの「デイドリームビリーバー」「モンキーズのテーマ」が流れてきました。何かなと思っていましたら、それらの音楽に合わせて「今からモンキーショーが始まりますので、ぜひ会場にお集まりください」というナレーションが入りました(モンキーショーだからモンキーズ、か、と変に納得!)。イルミネーションとか洋館のイメージとは違うイベントのように感じましたが、無料です、との説明に、その会場へ入りました。
ショーは、一日に数回上演され、1回は20分程度で、お猿さんの芸を見ます。トレーナーの若い女性(かなり若い!)が、小さなお猿さんに芸をさせる(写真)のですが、お猿の表情や仕草と、トレーナーの軽妙な言葉のやり取りで終始会場は笑いが絶えません。曲芸も段々と高度なものとなり、クリアするごとに拍手・拍手・・・、わずか20分くらいの演目ですが、とても楽しくて素晴らしいものでした。
この施設では「モンキーショー」と呼んでいますが、村崎太郎さんなどで知られる大道芸としての「猿回し」が古い呼び名です。猿を使った芸は、『都名所図会』などにも散見され、古くは奈良時代の文献にも記載があるといわれております。江戸時代には多くの猿回し集団が出来て、江戸を中心として地方への巡業もさかんに行なわれたようです(もともとは山口県がその中心だったそうです)。昭和の時代になって猿回しの芸が衰退したのは、道路上で行なう大道芸を「道路交通法」の名のもとに厳しく取り締まったからだといわれています。猿回しに対する偏見などもあったのかもしれません。
若いころに歴史や民俗を学んだものとして、昨夜の煌びやかな光のイベントの印象とともに、伝統芸能を、今風の言葉を使い面白く、今風の衣装を着て、若い人たちが、がんばって伝えておられる姿を見て、とても心が熱くなりました(そんな意味でも1000円は安かった!)。
フジテレビの敏腕プロデューサーである栗原美和子さんの書かれた小説『太郎が恋をする頃までには』には、村崎太郎さんとの恋愛がフィクションとして描かれていました。そんなことを思い出しました。
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