この2日間、歴史地理のフィールドワークの学生の様子をビデオで撮影する仕事があり、カメラマンとともに調査活動に参加してきました。場所は、京都市伏見区の水垂(みずたれ)地区というところです。京都市の南、桂川右岸であり、また京都市内中心から流れる鴨川とも合流する位置にあります(水が垂れるほど多くの水脈の要衝であることから命名されたようです)。明治期、平成期と、2度にわたる村全体の移転、田畑の市による買収、そこへの巨大下水処理施設の建設(甲子園球場の4倍の広さ)と、先祖伝来の土地・家屋を売り渡し、新たな町(村)を形成してきた地域、歴史地理学的には、非常に学術的価値の高い場所と言われているそうです。
昨日は、その地域の社寺、下水施設などを見聞するメニューでした。幸いというのか、天候には恵まれて、一日帯同していると日に焼けて顔も真っ赤になりました。そして本日は、地元古老による、昔の地域の様子を聞き取りする日でした。場所は地域の集会所でしたので、エアコンも効いた中、快適に過ごすことができました。仕事は撮影でしたので、聞き取り内容を聞く必要は無かったのですが、自然と聞いてしまいます。70~80代の村の古老の話は、かつて民俗調査を経験した身として、とても懐かしく、また現在、地域の文化を伝承している世代も、いよいよ最終世代なのかな、という思いをつよくした次第です。
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