「つだちく」という表記だけみると、なんだか「ちくわ」の新製品か、はたまた「しなちく」の一種かと感じるのですが、正式には「津田蓄音機店(河原町今出川下る)」のことです。
つだちくは、僕にとって「べったり」ではないにしても、音楽に関連してとても所縁のある店です。最初に出会ったのは、確か、大阪万博開催の頃、1970年頃、はじめて買ったレコード(しかも中古)は「つだちく」でした。店は、四条寺町を下がった電気店街の中にありました。後で分かったことですが、本店が河原町今出川(現在の店より東)にあり、電気街の店は支店だったようです。そこで買ったのは2枚、1枚目は当時ビートルズの申し子といわれたメリーホプキンの17センチLP(4曲入)とCCRのシングル「光ある限り」でした。
その後、大学が京都市内にあったこともあり、就職後にもよく行きました。もともとここのレコードの品揃えには、ジャズとクラシックの比重が多く、その加減か、僕の好きなブルースやソウル系のレコード、ちょっとこだわりを感じるような中古レコードが豊富にありました。それでちょくちょく寄って買ったのです。
その「つだちく」が閉店するんだということを知ったのは、大学内で運用されているSNSの友達登録をしている学生さんからでした。彼は通学途上で河原町今出川をバスで通過することがあり、閉店を知ったとのことでした。SNSでのやりとりで「つだちく」の話題があったことで僕に知らせてくれたというわけです。今月20日で閉店とのこと。
それでさっそく昨日、マイバイクで寄ってきました。店頭に全品100円のCDが箱に入れられていました。少し埃にまみれてはいましたが、さすが「つだちく」、というようなものも混じっていて、10枚ほどピックアップ、店内にもやや高めの中古CD、新品CDなどがあり、それらはどれも表示価格の半額ということで、ポールサイモン、グレッグオールマン、綾戸智絵の中古を3枚買いました。半額だったので、全部で3000円くらい、新品CD1枚分くらいです。
レジの店主に、少し話を聞きました、そして自分がはじめて買ったレコードの話もさせてもらったのです。また閉店の理由は、やはり時代の影響(CD販売の不振)ですか?、と聞いたところ、家庭の事情です、ということでした。どちらにしても残念ですね、と言って頷いておられた店主が印象的でした。
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太田貴久男 (金曜日, 18 3月 2011 11:09)
以前、CCRの曲を書いたブログ。